2012年11月15日木曜日

紅葉の季節 羽門の滝(うどのたき) 再訪

場所:大分県杵築市山香町大字広瀬

羽門の滝(うどのたき)は、国道10号線から案内看板を目印に、農道を3kmほど行ったところにあります。駐車場やトイレもあります。
駐車場で車から下りると、木々の間から滝を見ることができます。「ザー」という心地よい滝の音も聞こえてきます。

駐車場から滝までは近く、道は大部分舗装もされているので歩きやすく、比較的気軽に行ける滝です。滝壺に近づくほど、滝からの風もくるので、今の時期はさすがに寒いです。

この滝には「白竜伝説」があります。この滝のそばに御堂があり、そこに美しい娘とその母が住んでいたそうです。ひとりの武士がその娘に結婚を申し込みましたが、後に娘の正体が白竜と知ってしまいました。白竜は悲嘆にくれ、水の中に身を沈めたということです。元の説明文は一番最後に載せさせていただいてます。


滝壺のそばには紅、黄に彩られたモミジがあり美しいです。

宇佐の三滝などの大きく迫力のある滝とは違い、やさしい印象の滝です。近くには棚田もあり、周囲の景観も含めて楽しめる滝です。



白竜伝説

此処堂床の地に一宇の伽藍あり 本尊地蔵を祭りて名も知れず 世を避けし美しき母と娘が堂を守る為に住んでいた。

何時のごろの事か 罪深き日々を責め 地蔵にその斎教を修め この滝に行する武士が居た。

年も過ぎ この堂を守る母と娘を見るに その瞳は深く露を宿し ふる舞う姿の麗しさに迷い 行の身の責め戒めも忘れ 身の生きる支えを求め頼んだら 娘は我故ある身ですので 百か日の間 その身を遠ざけてくださいと言われた。
そして願明けの日の戌の刻(今なら午後8時のこと)に 再び堂にてお会い致したいと答えた。
やがて仮住まいにて待つ約束の日 五ツを待てずに 訪ねた武士。 
その時 それは幻か あのあでやかなる娘 滝に抗い眼は爛々と輝き 光を映して美しく 真白きを素肌くねらし 水飛沫も戯れる その様 妖気迫りて 思わず一声に すでに 彼の娘 嘆に乱れ悲恋の情け 水面に残し 水底深く身を投ずるに 波紋の渦に沈めた。
その姿再び この世に還ることは無かったとか。
歳を経て村人の噂は悲し。 しぐれる羽門の五ツ時 悶え悲しみ飛沫の滝を かき昇る白竜を見かけるという。
村人達はいまだに 白竜悲恋を語り部に伝える。

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