2012年1月24日火曜日

熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ)

撮影場所 大分県豊後高田市田染平野2581 熊野磨崖仏

山の岸壁に彫られた大きな仏様です。昭和39年に国指定重要文化財に指定されています。
不動明王像 
不動明王は全高約8m。

大日如来像
大日如来像は全高6.3mです。
全体像は上の写真のような感じです。熊野磨崖仏に訪れたこの日、昼ごろでしたが、雪が少しだけ降っていて風も吹きとても寒かったです。

観光されている方は他に1組いるだけでした。
石臼のなかの水にも氷がはっていました。

この磨崖仏にたどりつくまでは「鬼が一夜で築いた」と伝えられている長い石段が続いています。以前訪れたときは夏の暑いときで、この石段を登ると汗でびっちょりでした。
すごく急な苔むす石段で、気をつけないとすべってこけそうになります。この石段が造られたエピソードはおもしろいのでご紹介します。

『紀州熊野から田染(たしぶ)の郷に移られた権現(ごんげん)様は力がありました。近郷の人々もお参りをするようになっていました。そこへどこからか鬼がやってきて住み着きました。鬼は人間を食べたく、ある日、権現様にお願いをしました。権現様は「日が暮れて翌朝鶏が鳴くまでの間に百段の石段を作れば、この希望を聞く。但し、できなかったら反対に喰い殺す…」といわれました。

権現様は、一夜ではとても無理と思って約束したのですが、鬼は人間の肉が食べたいあまり、西叡山(高山寺がある山)に夕日が落ちてから、一生懸命に山から石を捜して運びました。九十九段を築いて、下から鬼が最後の一段の石を担いで登ってくる…これでは鬼の約束を守らなくてならないと思われ……朝がくる直前「コケコッコ-」と鶏の声を真似をしたところ、鬼は夜明けがもう来たのだと間違え逃げ去ったということです。

そして最後の一段分を夢中で逃げ、石を放り投げたところ、その石が倒れずに立ったまま残ったところが立石(山香町)になりました。

里人たちは、これ以降安心して生活ができ、岩に刻んだ仏様を朝に夕に拝んだとさ……』

下から見上げると圧倒されます。雄大な磨崖仏です。

熊野磨崖仏を後にすると雪が強く降ってきました。

2 件のコメント:

  1. ここは自分も見に行ったことがありますよ!よくあんな所に像を彫ったな~って感じですよね!それにしても、あの大日如来像は自分に顔が似てるなぁ!いや~あっぱれ!

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    1. ふんづまりさんへ
      断崖絶壁にこんなに大きい像…すごいですよね。国東半島はここだけでなく、いろんなところに磨崖仏があるみたいですょ。信仰が篤い地域ですね。顔が如来に似ているとは、ありがたやありがたや。

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